車検を請負ってくれる整備士さんに任せっきりではダメですよ。
自動車のバッテリー
バッテリーの役目
普段はボンネットの下に収納されているためなかなか目にする機会に恵まれないのが バッテリーですが、自分でボンネットを開いて整備・点検をするレベルの自動車 オーナーならそのたびに視界に入るので、結構身近な存在として親しみを持って 接していらっしゃるかもしれません。 この自己主張の控えめな印象の強いバッテリーですが、一体自動車の中ではどのような 役目を果たしてくれているのか考えたことがない人はいるでしょうか。 ほぼ全てのドライバーが知っていることでしょうが、まずエンジンを始動させるのが バッテリーの重要な役割になります。 バッテリーが取り付けられていなかったり故障していると、何度イグニッションキー をオンにしてもエンジンはかかってくれません。 エンジンを始動させるにはバッテリーからセルモーターに電力が流れることが必要 不可欠なので、ここに欠陥が発生したら整備して解決しない限りその自動車で走行 することは、たとえ山奥でも諦めるしかないのです。 他にもバッテリーの役割はありますがエンジンスタートが最も重要な役目になり、 また一番電力を使うのもこのエンジン始動の時です。 車内の電力を一切合財任されるバッテリーはさまざまなランプにも電力を供給するし、 オーディオやカーナビゲーションの電力もバッテリーから、エアコンも同じくです。 なのでエンジンを切ったままヘッドライトを何時間も点けっ放しにするとバッテリー からどんどん電力を奪っていくことになり、やがてはエネルギーが干上がってしま います。
バッテリーの寿命
自動車バッテリーの寿命には二通りの解釈があるというのが通説になっています。 ひとつめは製品そのものの寿命で、市販されている製品なら３〜４年は使えると 取り扱い説明書にも記載されているのではないでしょうか。 ですがこれはよい環境で使用された場合の寿命で実際の寿命よりも長い、というのが ふたつめの解釈に繋がってきます。 バッテリーの寿命は使用される環境や状況によって変わってくるので、３〜４年 と言われる期間は最長期間でありほとんどのケースではそれよりも短い、その点は 間違いないと思われるので現実的には３年以下と考えておきましょう。 バッテリーの置かれる環境はエンジンの傍ということもあり、温度の高い場所になる わけですがこれは本来好ましいことではありません。 高温で使用し続ければたいていの物は寿命が短くなりますしバッテリーも同じです。 この場合ですとバッテリー本体の寿命が短くなることになりますが、バッテリー上がり で新品との交換をするケースも多いでしょう。 寿命が近そうだから車検の機会にバッテリーも交換しよう、と整備やメンテナンス での交換でなく、バッテリーが上がって車が動かなくなった、のでバッテリーを買おう というのがこのケースになります。 自動車の使用頻度が少なかったり走行距離が短い特徴を持つドライバーの所有する カーだと、バッテリーに充電する時間が充分に得られません。 そんな状態が長く続くとエンジン始動に必要な電力も残ってない、いわゆるバッテリー 上がりと呼ばれる緊急事態となります。 対処方法として新品バッテリーと交換する人も多いので、ここがバッテリーの寿命と 考えているドライバーもいるわけです。
寿命が近いと
走行中にバッテリーの寿命がやってくることはそうありませんが、早朝に小鳥の囀り に耳を傾けながらエンジンをかけようとしてもかからず、いきなり寿命がやってきたと 驚かされた経験は長年ドライバーをやってきた人なら何度かあるのではないでしょうか。 昨日までは元気だと思っていたのに急に動かなくなる、そんな不意打ちのように寿命 を思い知らされるのがバッテリーの憎いトコです。 自動車が動かないことに気付く時、それはこれから自動車を使いたい時に他ならず、 エンジンがかからないことでこれからの予定に遅刻せざるをえないことを考えて軽く パニックを起こしてしまうまでが毎回の一連の流れになります。 そんな事態にならないためには寿命が来る前に新品のバッテリーに交換するなどの メンテナンスが不可欠なのですが、ではバッテリーの寿命はどうやって察知すれば いいのかご存知でしょうか。 そろそろ寿命かなという時に現れる兆候として最もわかりやすいのは、エンジン始動 の際のセルモーターの回転があります。 キュルキュルと音を立てて回りだすセルモーターに勢いがなくなってくるのが、 バッテリーの残りエネルギーが尽きようとしているサインです。 他にもパワーウィンドウで窓を開閉する時のスピードが遅くなってきたり、ライトが 以前ほど明るく輝いていないと思えてきたらやはり電力の供給が不足気味だといえ、 そろそろ交換しないと次にエンジンをかけようとしても不発となる可能性が高まります。 このあたりがボンネットを開いてバッテリーを直接確認せずに寿命を察知する方法 になりますので、もし気が付いたらバッテリー交換を考えましょう。