ジャンピングスタート
うっかりヘッドライトを消し忘れてしまうとどうなるか、試したことのある人なら 知っているでしょうが何時間もそのままでいるとバッテリーが上がります。 そんな時にどうするべきか、JAFに助けを求めるのもいい案だと思いますが時間に 余裕がない場合だと待たされることが苦痛になるので他の作戦を考えてみましょう。 かっこいい方法にブースターケーブルを他車のバッテリーと連結させてエンジンを 始動させる「ジャンピングスタート」という技があります。 この技を使うにはブースターケーブルが必要不可欠なので、不測の事態に備えて愛車 にはブースターケーブルを常備しておくのが紳士である条件のひとつです。 このケーブルをどこに積んでおくのかは特に決められてはいませんが、後ろのトランク にでも入れておけば失くすこともありませんし普段邪魔に感じることもないでしょう。 それほど場所を取る大きさではありませんがダッシュボードにしまったり後部座席の 足元に置いておくのは、実物を生で見たことのある身としてはあまりいい方法とは 思えませんしトランクがダメな理由を探してもみつかりません。 このケーブルは丈夫そうに見えますが、足元に放置して何年も踏みつけられるがまま 放置されているとさすがに損傷する可能性もありますし、そうなるといざという時に ジャンピングスタートが出来なくなるかもしれないからです。 使用前にはケーブルが切れていないか、端子に繋ぐグリップは力強いかも確認して、 全て正常で電流を流すことに一切の不安がないと確信できて初めて使える、とっても 重要なアイテムなのです。 ケーブルを診察してオッケーと判断できたら、健康な救援車を探しましょう。
救援車
この場合の救援車とはバッテリーが上がった自動車のエンジンを救援してくれる車 のことで、電力をわけてもらいエンジンを始動させるのに必要な救援者です。 対象の車と同じ電圧の自動車という条件がありますが、助けを求めるのが乗用車なら すぐに見つけることができるでしょう。 一般乗用車なら電圧は12V、トラックなら24V、たいていはこの2通りなので 難なく救援車探しは完了すると思われます。 救援方法ですがまずお互いのバッテリーが近距離になるよう、ケーブルが届くよう 近くに停車させてボンネットをオープンします。 エンジンを止めて両車のボンネットの奥で鎮座するバッテリーの姿を確認したら、 いよいよ本格的な救援作業の開始です。 この作業には自動車のメンテナンスや整備・点検の知識が必ずしも必要というわけでは ありませんが、あったほうがスムーズに進むかもしれません。 まずバッテリーにブースターケーブルを繋いでいきますが、これには順序があるので 間違えないように1つずつ取り付けていきましょう。 最初に助けを求める自動車のプラス端子に赤のケーブルを、次に救援車のプラス端子 にもう片方を取り付けて半分の作業は完了、ようやく折り返し地点です。 次に黒色のケーブルを救援車のマイナス端子に取り付けて、もう片方を助けを求める 自動車のマイナス端子ではなく、エンジンの金属部分に取り付けます。 この最後の段階を勢い良くマイナス端子に取り付けて「ふぅ、ここまで完璧だ」と 胸を撫で下ろす若葉マークのドライバーもいますが、それは間違いです。
エンジンスタート
ケーブルが正確な位置に確実に取り付けられたことが確認できたら、ついにドキドキの エンジンスタートの時間がやってきます。 ここまでの長い道のりを振り返って涙が零れそうになる、目頭が熱くなるのは不可避 でしょうがまだ終わりではありません、気を引き締めて参りましょう。 先にかけるエンジンはもちろん救援車のエンジンで、アクセルを踏んで回転数を少し 高い位置でしばらくキープしてください。 これからパワーを分け与えるのに備えて力を貯めこむイメージです。 そのままバツグンの回転数をキープしたまま、バッテリーの上がった自動車のエンジン を祈りながら始動させてみましょう。 ケーブルが正しく接続されていればソロではかからなかったエンジンも今回ばかりは 動き出すはずですので、もし動かなければ作業を巻き戻してケーブル編からやりなおし、 見事エンジン始動したのならこのまま続行です。 エンジンが動き始めたらケーブル回収の作業に移行しますが、その順番は取り付けの 逆に進めていけばオッケーですのでここまで到達できたのなら楽勝でしょう。 取り外し後にすぐエンジンを切るとどうなるか、バッテリーには電力がほとんど 残されていないので次にエンジン始動させる時にまた困る可能性は特大です。 なのですぐにエンジンを切らず、しばらくは充電期間として1時間ほどドライブを したりアイドリングをしてバッテリーを充電してあげます。 もしそれでも次回始動時に上手く行かないようであれば、ただのバッテリー上がり ではなく故障ということも考えられますので、整備工場で点検してもらうことを 強くお勧めします。